【Photoshop CC】ドットの不思議

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【Photoshop CC】ドットの不思議

この記事コンテンツではPhotoshop CCのフィルター「カラーハーフトーン」の機能を使った写真の「ハーフトーン効果」について解説しています。

ハーフトーン効果とは?

ハーフトーン効果は、「 網点(あみてん) 」と呼ばれる細かい点のパターンの集合によって、本来は存在しない中間調や濃淡を表現する技法です。写真やイラストの滑らかなグラデーションを、限られた色のインクで再現するために用いられてきました。

歴史

印刷におけるハーフトーン技法は、18世紀後半にフランスで発明されました。その後、19世紀後半になると、アメリカで新聞や雑誌に広く採用されるようになり、写真表現の普及に大きく貢献しました。

近年では、デジタル技術の発展により、Webサイトやグラフィックデザイン、ファッション、建築など、様々な分野で幅広く活用され、レトロな雰囲気を演出したいときなどにも使われています。

ハーフトーン効果の表現方法

ドットパターン

最もポピュラーなハーフトーン効果の表現方法です。「円形のドット」を規則的に並べることで、「濃淡を表現」します。ドットの大きさや密度を変えることで、様々な質感を表現することができます。

ラインパターン

」を用いて濃淡を表現するハーフトーン効果です。線の「太さ」や「間隔」を変えて、様々な質感の表現ができます。

ランダムパターン

ランダムに配置された「」や「」を用いて濃淡を表現するハーフトーン効果です。有機的な質感が表現できます。

Photoshopでは「カラーハーフトーン」の機能を使って画像を編集することで、レトロな写真表現をすることができます。

作りかた

1.画像を配置し、メニューバーのイメージから「モード」の「CMYKカラー」を選択します。

画像サイズは幅:1920pixel、高さ:1440pixel、解像度:72pixel/inchです。

2.配置した画像を「スマートオブジェクト」に変換し、画像の「複製」をします。

3.メニューバーのフィルターから「ピクセレート」の「カラーハーフトーン…」を選択します。

4.カラーハーフトーンの設定パネルに切り替わったら、初期値の設定から数値を変更し、「 OK 」をクリックします。

最大半径はドットの中心から隣のドットの中心までの距離の半径を指します。

チャンネルの数値は日本の印刷製版の一般的な数値です。

5.設定終了後、ハーフトーン効果が適用されます。

ロゼッタパターンとモアレ

ロゼッタパターンとは?

ロゼッタパターンは、主に印刷における網点模様の一種を指します。規則正しい網点パターンを複数重ねることで、滑らかな階調表現を実現する技術です。主にカラー印刷において、CMYKの各インクの量を制御することで、より繊細な色彩表現を可能にします。

モアレとは?

モアレは、異なる周期の縞模様が重なったときに発生する縞模様のことです。印刷におけるモアレは、網点パターンと画像のピクセルパターンが重なったときに発生します。特に、規則正しい模様が重なった場合に顕著に現れます。

ロゼッタパターンとモアレは、印刷において重要な概念です。ロゼッタパターンは、滑らかな階調表現を実現するための技術であり、モアレは、ロゼッタパターンがうまく機能していない場合に発生する問題です。印刷においては、ロゼッタパターンの適切な利用と、モアレの発生対策に注意する必要があります。

スクリーン線数と網点

スクリーン線数とは?

スクリーン線数は、印刷における網点の密度を表す数値で、1インチ(約2.54cm)あたりの網点の数を表します。線数が高いほど、網点が細かくなり、滑らかな階調表現が可能になります。逆に、線数が低いほど、網点が粗くなり、階調表現が粗くなります。

一般的に、新聞は60〜80線、雑誌などの印刷物では、100~200線程度のスクリーン線数が使用されます。写真集や高級雑誌などの高画質印刷物では、200線を超えるスクリーン線数が使用されることもあります。

網点とは?

網点は、印刷における最小単位の印刷要素であり、微小な点の集合によって構成されます。網点の大きさを変化させることで、濃淡を表現することができます。

網点の密度が粗ければ粗いほど、表現できる階調は少なくなり、逆に密度が高ければ高くなるほど、滑らかな表現が可能になります。

ハーフトーン効果は、長い歴史を持つ技法でありながら、現代においても様々な表現の可能性を秘めています。印刷とデジタル、様々な方法で表現できるハーフトーン効果を活用して、オリジナリティ溢れる作品を作ることができます。

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