ブツ撮りをしてみよう Vol.2〜蛍光灯ライティング
前回“ブツ撮りをしてみよう Vol.1〜自然光ライティング”では、ブツ撮りに於ける自然光ライティングの基本を解説しました。
今回は、撮影用の照明として自宅で手軽に扱える蛍光灯を使ったライトで、ブツ撮りのライティングをしてみます。
これは蛍光灯ライトが中に入った、「ソフトボックス」という照明機材です。前面に白いディフューザーを取り付けて、均一に柔らかい光を作り出すことができます。
ソフトボックスなどのライトを、角度を変えられるL字のアームを使って、斜めにセット出来る「ブームスタンド」に取り付けて使います。この組み合わせセットだけで、かなり色々なモノを手軽にキレイに撮れるので便利です。
半逆光ライティング
前回、自然光で撮ったシュークリームを撮ってみましょう。
ソフトボックスを上から照らします。奥の壁側は、余計な色が反射しないようにと、レフ板を兼ねて白い紙を貼っています。サイドから手前にかけてレフ板で影になる部分を明るくします。
ソフトボックスは、真上ではなく斜め後方から、少し逆光になるような感じでセットします。自然光で撮った時のように、窓から光が入るような感じの光の向きです。
自然光で撮ったものと全く同じにはなりませんが、光の雰囲気は似たような感じになります。
順光ライティング
では、ライティングの向きを順光に変えるとどうなるか見てみましょう。
今度は、ソフトボックスを手前の斜め上から光が当たるようにセットします。
この写真だけ見ると普通に良く見えますが、上の半逆光で撮ったものと比べると陰影の無いのっぺりとした印象で、質感と立体感が少し平坦な感じに見えます。
クリップオンストロボ
今度は、クリップオンストロボをカメラ上部に付けて撮ってみました。
商品写真というよりは、プライベートな記録写真のような印象になりました。被写体に対してカメラ位置から直向きでダイレクトに光を当てているので、露出の合っている手前から後ろは徐々に暗くなっています。
これはストロボの付いているコンパクトカメラで、ストロボをオンにして撮っても同じ感じになりますね。
もしストロボに発光部の向きを変えるバウンス機構が付いていたら、天井向にストロボを当てる”天井バウンス”をすると次に解説するトップライティングに近い感じに撮すことができます。
トップライティング
このページ上のアイキャッチ画像に使っているお酒と本の写真は、ほぼ真上から照明を当てるトップライティングで撮影しています。必要に応じてレフ板で、側面などの明るさの足りないところを補うと良いでしょう。
トップライティングは、曇りの日や、部屋の天井に照明器具が付いているフラットな光の状態を作りやすいライティングで、このような静物写真に使うと落ち着いた雰囲気の写真になります。
このように、ライティングで写すものの印象はかなり違って見えます。被写体を用途によってどう見せたいかによって、ライティングを適切に変えていくことが必要になります。
光の当たり方で、被写体の見え方が変わり、アングルや画面の構図でブツ撮りの表現が色々できます。ブツ撮りで、一つの被写体の沢山のパターンを試してみると、様々な発見があって面白いですね。自分ならではの撮り方が見つかるまで、ぜひ色々と試してみて下さい。